観測ノート2008
 
はっきり言って忘備録代わりに使っています。
あまりたいした内容は含まれていません。

 
 
2008
 
・11月20日
 月初めの2日夕方に予報されていた(2000)HerschelによるTYC 3658-01944-1(9.5等)の観測には久々にトライするも、曇られてしまい観測不成立だった。
 「今年は元々この近くをラインが通る接食観測も少なかったし、このままではなんとも不作に終わりそうな1年だなあ…」と悲しくなってきてしまったので、不惑を迎えるのを記念してこの夏に気合いで購入したCN212用のニュートン焦点用ユニットの整備を冬の星食シーズンまでに完了させることにした(それにしても、フットワーク悪いなあ…)。手始めに先週は、調子の悪かったモニター用WOODYのHDDを換装して今更ながらのWin95を再インストール。「この初期設定画面、久しぶり〜!」等と妙に感動しつつも、HDD以外のパーツには問題なかったため一晩で完成!お目当てのWOODY TVも問題なし♪。
 
 そして今夜はいよいよニュートン焦点用ユニットを取り付け、さらにTGV-Mを取り付けてファーストライト。南中しかかっていたすばるを導入し、画面上で確認できる星団内の恒星とその等級を標準星図をみながらチェックしてみた。4〜8コマ積分をかけると、11.5等までは何とか確認できた。今後の小惑星による掩蔽の観測に十分使えそうな感触だった。
 
 
・10月7日
 何って観測していないうちに、10月を迎えた。天文観測年表によれば、明日の夜はここからもう少し南下した辺りで8等星の接食が見られるのだが、仕事が詰まっていたり小学校のPTAの会議が入っていたりで、とても現象時刻に現地に立っていることは不可能。
 そんな生活が続く中、せっかくEOS digital kiss Nを買ったのだから…と、先月トキナー AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm/F3.5-4.5)という魚眼ズームを購入した。今時のレンズには珍しく?ピントリングが無限遠でぴたっと止まるタイプの広角ズーム。デジタル専用なので、フィルムのEOSには使えないが、どのみちボディは保有していないので一切関係なし。
 晴れ間を見つけては、ちょびちょびと試写してみている。地平線のゆがみを見るにつけ、久しく使っていなかったかつてのシグマ16mm魚眼の感触がよみがえってきて気持ちいい。通常の広角域もカバーしているため、kiss N+AF対応レンズの組み合わせで日常撮影にもちゃっかり使えて、なかなか重宝している。
 
○月から夏の大三角形まで(10mmF5.6) *以下、クリックすると拡大。
 
○昇る冬の大三角形(17mmF5.6)
 
上田創造館にて                               
 
7月から始まった「星空案内人」認定講座でのスナップ。この夜は反射望遠鏡の使い方に関する実技講習だったが、まともに見られたのは月と木星ぐらい。
そういえば今月で講義は終了だったっけ…。
 
 
・6月16日
 久々の3等星の接食観測。しかも近場で観測できる。最大の問題点は録画用機材だが、家庭用のDV(2.5inch液晶モニター)でも何とか星像が確認できることを、直前の4 Sco(5.6等星)の潜入で確認できたので(^_^;)、2ポイント分の機材を積み込んで出発。
 関東勢の2名と地元2名でコンビニに集合。布陣ポイントを確認後準備にかかる。例によって眼視ポイント(8cm屈折+JJY+テレコ)を組み立ててから、ビデオポイントへ移動。ざっと15cm反射を組み上げてTGV-Mを取り付けたところ「ピントが出ない!」ことが判明。そう言えばスピカの接食の時などでも事前に確認したはずだった!と今頃気づいても遅い。接続リングを詰めたり無理矢理ガムテープで固定しようと試みるも、強度不足でTGV-Mが落下しそうになる。コントローラーのケーブルなどを鏡筒に貼り付けてもダメ。どうせDVのチェックやるなら、鏡筒もCN212でなくこいつでやるべきだった。まさに後の祭り。
 そうこうしているうちに現象時刻が近づいてきたため、やむなく眼視観測に切り替える。でも、高倍率用のアイピースが足りない(眼視ポイント用に置いてきてしまった)。まあ何とか潜入は判ったけど、あとはやや怪しいかも…。
 観測後再集合してみると、各ポイントとも出現側はやや厳しかった模様。それでも集約してみるかという話でまとまり、記念撮影して解散。皆さんお疲れさまでした。
 
 
・1月27日
 年明けに一念発起(?)して中古のEOS digital kiss NとEOS-MDレンズアダプターを購入した。なにせ、高校時代に叔父にミノルタSRT101を譲ってもらって以降、MD200mmF2.8を筆頭に集めてきたレンズのほとんどがMD/MCレンズ群なのだから、デジタル一眼になってもこれが活用できればこんなありがたいことはない。
 昨年暮れ頃からネットで情報を当たってみたところ、
・MD/MCレンズアダプターが販売されているのは、EOSボディ用、オリンパスのフォーサーズ規格のボディ用、ソニー(ミノルタ)α用などがある。
・フランジバックの関係で、EOS用・α用の場合はリレーレンズが挿入されている。
等がわかってきた。ただし、現在メインに使っている*istDsに取り付けるためのアダプター(つまりペンタックスKマウント用)が存在しないことも判明したため、結論としてMD/MCレンズ群を生かすためにはペンタックス以外のボディを入手しなくてはならないことも見えてきた。
 で、結局は中古量の多さと価格面での手頃感、そして将来的には赤外カットフィルター改造時の性能を期待して、前述の通りEOS digital kiss Nを中古で、EOS-MDレンズアダプターを新品で購入したわけである。kiss Nボディが約¥30k、アダプターが約¥7kだったから、大学生の頃にミノルタXD(レンズ付き)を中古で購入したときよりも安く新たなデジタル一眼システムを準備できたことになる。安いと言えば安い。
 
 さて、実際の写りはどうかといえば、やはり当たりはずれがある模様(いずれも、クリックすると拡大)。
○シグマ16mmF2.8魚眼レンズでの撮影
デジタル一眼の場合、ただでさえCCDサイズのおかげで焦点距離が1.5倍になる。それに加えてこのEOS-MDシステムではリレーレンズのおかげで焦点距離が伸びることになる。なので対角魚眼ならフィルムでいうと32mm相当の広角レンズとしての使用が期待された。が、しかし。左下の光害は別としても、さすがにこの星像だとちょっと天体用には厳しそう…。
 
 
○MD35-70mmF3.5での撮影
50mmでの撮影。F5.6程度に絞っての撮影なので、正直もう少し周辺部の写りも改善されてほしいのだが、これぐらいなら、まあよしとすべきか?
ただ、このレンズも広角側だといまいちだった。逆に望遠側の70mmにすると多少はまともな写りになった。
 
 
○MD200mmF2.8での撮影
このレンズの利用を一番期待していたので、これぐらいに写ってくれれば一安心。開放では周辺部の星像が湾曲気味だったが、この作例のようにF5.6に絞っての撮影なら使えそう(補正系なしのニュートン式RTFで撮影したと思えば…(^_^;))。
 
 
・1月19日
 (526)JenaによるTYC 1341-02470-1(8.4等)の観測にトライ。今宵は曇られる心配もほぼ皆無。穏やかに晴れて、気温もどんどん下がってきた感じで鼻水が…。「終わったら速攻風呂に浸かって暖まろう」と心に誓いつつ、対象星が明るめなのでビデオ撮影を試みることにした。
 「あれ?」モニター用のWOODYのスイッチを入れるも、時々カランといういやーな音がして起動にやたら時間がかかる。いよいよHDDがおかしくなってきたようだ。ならば、とビューカムのスイッチを久々に入れたら、こちらも「あれ?」。何だか画面表示がおかしい。バックライトの異常なのか、それともついに逝かれてしまったのか?
 てな訳で、今回もいつものように眼視観測に落ち着いた。幸いトラブっていた割には対象星はスムーズに確認できた。GHS時計も快調に同期してくれたのでやれやれである。後は時を待つだけ。
 24h35mの時報を聞く頃からテレコを回す。日時・天候などを吹き込んで36mの時報を確認。「さーどうでしょう?」などとしゃべっている最中に”すぱん”と音が響くかのように光が消えた!お!キターーーー!程なく今度は”ぽん”と復光。めでたく自身3度目の減光観測Getとなった。
 
*結果的には関東方面の数カ所で減光がとらえられ、成果が挙がった模様(詳細は下記サイトなどに)。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/thirose/mpoc/0526Jena_080119.pdf
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/thirose/mpoc/0526Jena_keiro.pdf
 
 
・1月6日
 4日の夜に準備室でファンヒーターを点けたせいか、今朝ふとみると観測室の屋根裏に水滴が多数!!
 
 
 さすがにこれでは機材が朽ちてしまいそうなので、久々に昼間からルーフを空けて風を通した。この地域の冬場はかなり空気が乾燥しているから、これでひと安心。
 
 
 で、夜も気持ちよく晴れていたので、これまたHolmes彗星の撮影を行う。それにしてもこの彗星、2度目のバーストは起きるのだろうか?
 
 
・1月4日
 今夜はそこそこ晴れてきた(返す返すも昨夜の雲は恨めしや…)。まあ、それでもと気を取り直して、今夜もHolmes彗星の撮影に観測小屋へ。
 
 
・1月2日
 3日未明の小惑星(90)Antiopeによる掩蔽観測のため深夜まで仮眠しながら粘ってみるも、今宵は薄雲(雪雲?)が流れてきて観測不成立となった。連星系タイプの小惑星とみられていたものだけに期待していたのだが、残念。
 
*結果的には関東方面を中心に減光がとらえられ、成果が挙がった模様(詳細は下記サイトなどに)。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/thirose/mpoc/0090Antiope_080102.pdf
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/thirose/mpoc/Obs_Antiope.pdf
 
 
・1月1日
 幸先良いと言うべきか、ほぼ快晴の元旦の夜となったのでHolmes彗星の撮影に観測小屋へ向かう。だいぶ淡くなってきたものの、まだ肉眼でも何とか見えていた。
 
 

 
TOPへもどる。