観測ノート2003
 
はっきり言って忘備録代わりに使っています。
あまりたいした内容は含まれていません。

 
 
2003年
 
・12月27日
 もう2003年が終わってしまう!まだ年賀状書いていないのに!それに、まだ接食まともに成功していないのに…。
 にもかかわらず、今夜の接食は、観測条件が厳しい。何たって、太陽高度−7゜で6等星を見ようってんだから。確かに昨日夕方の同時刻の空の明るさを思えば、「星なんか見えるの???(かみさんの実家で言われました)」って感じ。まあ、ビデオ観測はかなり無理そうなので、最悪でもCN212+眼視で何とかしてみせましょう!何たって、今回の観測地はここから5kmと離れていないのですから。
 てな訳で難なく観測地に到着。快晴、無風とくれば、気象条件は最高。あとは星さえ見えれば…。機材を組み上げて、おもむろにアイピースを覗き込んでも、確かに月しか見えない!がーん!!中央時刻まで、あと10分しかないのに。
 必死で捜索すること数分、中央時刻まであと7分というところで、何とか目的星を発見!もちろん、ここからビデオ撮影に切り替えるのは不可能なので、そのまま眼視観測に徹する。おおっ!消えた!出た!やったー!!見えたぞ4D4R!!
 終わりよければ、すべてよし(とするか)。これで2004年に気持ちよく入れそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今回の観測風景。向こうに月が見えます。写りは暗いけど、観測終了しても、もちろんまだまだ夕暮れ真っ最中。
 
 
 
・10月31日
 気がつけば、はや10月も終わろうとしている。9月は18日と21日の2回のグレージングが天候不安定&体力温存という日程的な都合の悪さもあってパス。、10月は今夜のグレージングが仕事の都合で遠征できなくなってしまった。なんだか、もったいないやら情けないやら…。子育てなどの都合もあって、この年代は一番観測のための時間の都合がつけにくいのではないのだろうか?等と思わずつぶやいてしまいそう。あーいかんな、愚痴になっている。
 ともかく、これで今年は4連敗(+3不戦敗?)。あと2ヶ月しかないのかあ…。
 
 
・9月9日
 昨夜に引き続いて、火星のビデオ撮影を行う。といっても、昨夜はシンチレーションがまあまあ安定していたので拡大撮影だったが、今夜は望遠レンズにCCDビデオカメラをつけて月と火星のランデブーを撮影したので準備も撮影もお手軽であった。ステナビで調べてみると、今夜の20h40m前後がこの地域では月との離角が最小となった模様。確かに、その時刻を過ぎてから撮影に入ったせいか、既に火星は月の南側月縁との接近を終えてやや西よりに離れつつあった。隣の家にも声をかけて、みんなで月と火星の接近の様子を肉眼と画面上で楽しんだ。
 
 
・9月3日
 夕方すっきり晴れていた。予報では夜半から曇ってくるようなことを言っていたので、子供たちが寝たあと、急いで21cmを組み立てて火星観望を開始。ところが透明度はまずまずだったものの、シンチレーションがかなり悪。かみさんも「こないだよりダメだね」と太鼓判を押したので、ビデオ撮影は諦めてさっさと寝ることに決めた。こういうときは体力温存。
 
 
・8月22日
 世紀の(?)火星大接近まであと5日。勤務校の天文班の生徒達と学校に泊まり込んで火星をみることにした。夕方こそ時折雲の通過があったものの、夜半にはまずまず晴れ渡った。もやが取りきれないのが気にはなったが、いざ望遠鏡をのぞき出すとその不安(不満?)はさほど気にならなくなった。さすがに21cmカセグレンで見る火星はかなり素晴らしい!双眼装置を使ったら、もっと見やすくなった。今夜はちゃんとビデオ撮影も成立。K20mmアイピースを用いて拡大撮影できたことは最大の収穫だった。液晶画面上で見る限りは、かなりいきれいに写っている。
 
 ←ビデオからの取り込み画像を8枚コンポジット。
 
 
・8月20日
 世紀の(?)火星大接近まであと7日。就寝前に外を見てみたら半分ぐらい晴れていたので、「それっ」とばかりに火星を見ることにした。15cm反射を組み立てて見てみると、案外シーイングがよろしくて今月2日の夜よりもずっと像が良好。うれしくなって、寝ていたかみさんもゆすって起こして見てもらったところ、「確かに模様がわかる」とのコメント。素人が見てもわかるって、やっぱ大接近ならではなんだろうと1人で納得。
 ところで、借りてきていたC10-4Mで直焦点撮影してみたら、ゲインをめいっぱい落としても火星が明るすぎ、絞りを入れないと模様が確認できなかった!恐るべし大接近!
 
 
・8月4日
 ひょんなことから、勤務校の生徒数名と連れ立って東京大学木曽観測所主催の「星の教室」へ参加することに。送迎タクシー付きってところが何とも豪華な企画。しかも、やってきたのはどう見ても小型バスなのに、乗り込んだ我々はというと引率教師(=私)と生徒5名!めちゃくちゃゆったりくつろいだバス旅行となった。
 現地ではシュミットカメラの見学のあと、生徒向けの教育プログラムが進行。勤務校の生徒も含め、参加した生徒達の理解度は必ずしも十分ではないようだが、引率者がそれなりにフォローして何とか適応。平行して開かれた観望会では、運良くその1時間ほど晴れ間が出てきて、20cm反射で接近中の火星、M57、アルビレオ等を生徒共々楽しませてもらった。それにしても、よく晴れたなあ…。そのせいか、標高1000mのわりには夜も結構寝苦しかったけど。
 
 ←参加者みんなでドームの前で記念撮影。
 
 
・8月2日
 今夜は流星がらみで参加した「HTTPプロジェクト」の観測協定日。みずがめ座δ流星群を狙っての観測ということで、私の観測ポイントではビデオと電波(HRO)とでデータを提供することにした。
 リハーサルに臨んだ昨夜は曇りまくって終わってしまったが、幸いにも今夜はまずまず「晴れ」の天候。電波観測はいつもの機材が勤務先で順調に稼働しているだろうということで、自宅ではPCで仕事をしながら庭先でAstro-HSから貸し出ししてもらったWAT-100Nを使って23h〜27hまでの計4Hの間、協定方向へ向けてHi8mmでひたすら撮影。常時チェックしていた訳ではないものの、途中で見に行ったときにたまたま写野内を流星が飛んだので「よしよし」って感じ。
 あと、明け方頃に火星が眩しかったので、今シーズン初観測!CN212ではなく、軽〜く15cm反射で覗いただけだが、シーイングが落ち着かないながらも結構大きく見え、また極冠や模様もはっきり判ってなかなか満足。
 
 
・7月25日
 今年4回目の接食観測。前月同様、今回も上田市近郊で見られるナイスな条件。LOW予報から見出して、早々にJOIN経由で国立天文台の相馬さんから限界線予報を教えてもらっていたものなのだが、またしても雨にやられて出発を断念…。もしかして、今年は天候不順?
 
 
・6月24日
 今年3回目の接食観測。まずまずの好条件で、しかも久々に上田市内で観測できるとあって、勤務校の天文班の生徒も誘って合宿形式にして準備をした。何とか望遠鏡の台数もそろえて当日を迎えたのだが、残念ながら現象時刻の天候は小雨。時折飛び交う蛍を眺めて、その時刻は過ぎていきました…。う〜む、ここんところついていないなあ。
 
 
・5月7日
 午後から水星の日面通過が見られるということで、午前中からビデオ撮影の準備。午後は公欠をとった天文班の生徒も参加し、非常階段の踊り場で現象時刻を待つ。第1・第2接触は残念ながら雲の中で終わってしまったが、その後およそ1時間ぐらいは雲間から出たり入ったりしながらも撮影できた。
 
 
・4月15日
 今年3回目の接食観測。今回は3.5等星の明縁接食、しかも高度は10゜台。「イチかバチか」って感じの条件だが、観測地も県内だったの2月の時と同様にK氏と誘い合って観測に向かうことにした。
 幸い天候は快晴、風も軽く吹いている程度で、春先らしい穏やかな夜。「ビデオ観測で明縁接食なら、カラーの方が有利かな?」と思い、CN212には勤務先から借りてきたビクセンのカラーCCDカメラを取り付ける。これで撮れるかは微妙な気がしたので、念のため眼視用の15cmを別ポイントで組み立てた。うまく行けば「1人2ポイント」となって、データも2倍!何とかセッティングも終え、あとは中央時刻を待つのみ。
 いよいよ撮影開始!録画ボタンを押して、眼視ポイントへと足早に向かう…つもりだったが、ここで作戦ミス暴露!今回の布陣地には、低空の見晴らしを確保するのと川からの霧の発生を嫌って南斜面の傾斜地を選んであったのだが、走って向かわなければならない眼視ポイントを、あろう事かビデオポイントよりも山寄りに設置してしまったのだ!しかも昇りの傾斜が結構きつい(箱根駅伝並み?)ため、日頃の運動不足も祟って、「うぅっ、足が重い!」となかなか駆け上がることができない。何とかたどり着いたものの、思いっきり息が上がってしまいまともにアイピースをのぞき込めない。「ぜーぜー、はーはー、ほ、星はどこだ…?」と息も絶え絶えに何とか恒星をとらえたと思ったら、次にのぞき込んだときにはもう潜入してしまった?らしい(シーイングの悪化のせいかもしれないけど)。「くー、うー(まだ息が落ち着かない)」と焦っているうちに、今度は予想していた場所よりもだいぶ離れた場所で出現してしまったらしく、気づいたときには恒星が月から離れ始めていた。がーん!!
 観測終了後、戻ってきたK氏に聞いてみると「うーん、シーイングにやられたかなあ?今イチ不明瞭です。あとでビデオ解析をお願いします」とのこと。すっきりと「観測成功」とは呼べない結果になってしまいました。
 
 
・4月13日
 久々の掩蔽観測はガリレオ衛星相互現象(2E1)。今回のシーズンもそろそろ終盤を迎えているが、割合天候に恵まれて順調に撮影できている気がする(飲み会などのせいで観測できなかった分も含めて…)。
 今夜のものは減光量が大きめだったせいか、モニター画面で見ていてもするするっと暗くなって、するするっと復光していく様子が確認できた。いい感じ。でも、このビデオ画像から何とかして光度変化を読み出して数値化したいんだけどなあ。何かいい画像処理ソフトはないものか?(と、前回の相互現象のシーズンからずっと思い続けているのだが)
 
 
・3月23日
 今年国内で見られると予報の出されている「小惑星による恒星の掩蔽」(少々長い呼称なので、個人的には「小惑星掩蔽」とさせていただく)の中でも好条件で注目の(704)Interamniaによる6.7等星の掩蔽を観測したかったのですが、あいにく夕方から曇り空となり観測を断念。日曜日の夕方の現象だったし、日程的にも最高だったし、改良予報でみるとこの地域はズバリ掩蔽帯の中に入っていたのに…。
 
 
・2月25日
 今夜の観測はガリレオ衛星相互現象(2E3)の撮影。先日の3日夜の撮影以降、13日の1O2、18日の4O3と成功してきましたが、いずれも掩蔽現象でしたので、食による減光をとらえたのは今シーズンはこれが最初でした。
 「まあ快晴でよかったなあ」と思っていたところへ、突然電話が!観測仲間のK氏からでした。
 「ねえ、今の現象、見ました?」「はい、バッチリでしたね」
 「どの衛星が減光したの?わからなかったんだけど…」「え゛?」
 聞けばK氏はビデオ撮影していたが、監視していたモニター画面上では減光がなかったように思えて、あわてて連絡してきたようでした。確かに液晶画面ではわかりづらいかもしれないので、後でテレビ画面で再生すればきっと気づきますよと助言しておきました。K氏の撮影機材は気合いが入っているから、きっと美しく撮れているんだろうなあ…。
 
 
・2月21日
 今年2回目の接食観測は、松本市郊外へ布陣したXZ 20256(7.7等)の南限界線でした。観測仲間のK氏と観測地近くのコンビニで待ち合わせたのが27h頃だったのですが、すでにその時点で少し雲行きが怪しくなってきていました。出発時にはほぼ快晴だったのに…。
 布陣してからも状況は変わらず、むしろ雲は厚くなる一方。結局中央時刻を迎えた時点で観測は終了となりました。5日に続き、接食は連敗です。
 
 
・2月5日
 ようやく接食観測のチャンスがやってきました。ただし、恒星は7.4等とまずまずながら、高度が12゜を切っていて、結構低空で条件は悪いのですが。
 須坂ICの近くの丘の上に布陣して西の空の視界を稼ぐと、何とか月が山に沈む前に観測できそう!しかも意外にシーイングも落ち着いていて、恒星も割によく見えています。さすがは大口径CN212、こりゃあイケルじゃん、ラッキー!と思いきや、なにやら月に近づかんと流れてくるあやしい雲が…。
 でも、私はあきらめない。中央時刻5分前、雲が切れた!よおーし!もらったぁ!予報ではもう少しで潜入かな?…ん?また雲が?中央時刻3分前、ついに恒星をロスト。あとは雲の中へと消えていったのでした。いやー惜しかったですね。
 
 
・2月3日
 今年最初の観測は、ガリレオ衛星相互現象(4O1)の撮影でした。昨年11月末に成功したのも同じ4O1だったってところが奇遇でした。ただし、今回は皆既食となったため、減光量は前回より大。かなり狙い目の現象と言えるもの。
 幸い現象30分前から徐々に晴れてきて、これはイケル!と思ったら、なんとバッテリーが電圧低下で赤道儀とビデオカメラの電源が取れないではないですか!赤道儀の方は何とか予備のバッテリーで動かしたものの、肝心のビデオカメラが起動しない。泣く泣く撮影はあきらめて、今回は眼視観測にて堪能しました。トホホ。でも、さすがに1等級以上の減光だけあって、見る見るうちに暗くなっていき、そして復光もするするっと過ぎていったような気がしました。
 それにしても、今回は日頃のメンテナンス不足がもろに効きました…。
 
 

 
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